日本が共働きしなければならない社会になった理由

日本で、夫婦のうち一方が専業で主婦または主夫を行うことは難しくなってしまった。最近では、夫婦の一方の収入で暮らすことができる家庭は少なく、望んで共働きを選べるというよりむしろ、望むと望まずとに拘わらず共働きを選ばなければならないことが多い。

なぜ、夫婦共働きしなければならなくなってしまったのだろうか? 続きを読む 日本が共働きしなければならない社会になった理由

大企業にとっての雇用規制の効果

電通のような大手企業が、過労死するほどの状況でも人材を補充していかないのはなぜだろうか?

手厚い雇用保護の結果、人材が向こうからやってくる大企業にとっては、新卒採用で余計に人材を囲い込み、適合しない人材が勝手に辞めていくにまかせるのが効率がよくなる。というか、法的に解雇も減給も雇用主側からはできないから、従業員がしがみつく限りそうするしかない。

どこもかしこもそうするから、転職しようにもポストが少ないという状況がある。だから、労働者は仮にうまく順応できなくても新卒で採用された企業にしがみつく。結局、政府の雇用規制によって職業選択の自由が奪われてしまっているのである。 続きを読む 大企業にとっての雇用規制の効果

課税や規制といった締め付けによって、弱い労働者の取り分は増えない

課税や規制といった締め付けによって事業者を苦しめれば弱い労働者の取り分が増えるという期待は、いつの時代にも叫ばれるがかなうことがない。 続きを読む 課税や規制といった締め付けによって、弱い労働者の取り分は増えない

低賃金誘導政策

補助金を受け取った事業者があっちで安売りを始めたり、保育を無償化された主婦が低賃金でもOKな労働者として労働市場にでてきたり、助成金つかって老人や障碍者を雇用なんてしてて、そんなのと競争させられているわけだから。当然、賃金は抑制されるし、適材適所からも外れていく。これが、政府の低賃金誘導政策である。 続きを読む 低賃金誘導政策

残業規制の帳尻合わせに殺される弱者

「時短ハラスメント」なる言葉が使われるのだという。

残業時間を減らせという圧力の一方で、生産性を確保できず、追い詰められる人が生じている。残業する前提で仕事をしていた人に、残業しないで同じ報酬をとれるような成果をだせというのだから、無理が生じるのは当然だ。 続きを読む 残業規制の帳尻合わせに殺される弱者

雇い止めを招いた法律

3カ月更新の契約で17年勤務…そして、突然の「雇い止め」

「法制度やルールをつくっても、運用する現場の方々に温かい心が通っていなければ、このように不条理なことになる。」などという人もいる。

もちろん、現場に温かい心があればよいだろう。温かい心で他の社員が減給を受け入れたり、温かい心で銀行が返済を免除してくれたり、温かい心でその会社の製品を消費者が買ってくれたらうまくいくに違いない。だが、そんなことはもちろん起きない。まったく残念な話である。

三カ月更新で雇われている人は、三カ月更新だから雇われることができていたのである。長期契約に変更するなら、もっと給料を減らさないと辻褄が合わなくなる。だけど減給を法律は許さない。

労働者の交渉の機会が奪われている。「無期雇用にしてほしいと言われたら雇用主は応じなければならない」という法律なのだから仕方がない。無期雇用にしてほしいなんて言うつもりなんて全くなくても、リスクとみなされることになる。

雇い止めされたくなかったら、期限がくるより前に待遇を割り引く前提で交渉をしないとダメなのだけど、法律が禁止している以上は雇用主から声をかけることは絶対にできない。だから、仕方ない。

この春に雇い止めされなかった側の人は、特別な地位を獲得して新しい特権階級になる。雇い止めされた側の人たちは、これまで以上に契約社員になることが難しくなる。無期雇用に転換できるような会社のポストはもはや埋まってしまったからだ。

 

「弱い労働者を守るための法律」が弱者を殺してしまう、そんなまっとうな批判もある。だが、連合のような大企業の労組が求めた法律が「強い労働者を保護するための法律」なのは当然のことなのかもしれない。一旦作られた既得権を壊すことは難しい。無期雇用を獲得した人は、無期雇用を守れと言うに違いない。

各地で雇い止めに反対するさまざまな紛争が起きている。とくに、公務員や大企業の労組は強くアピールしている。

だが、この椅子取りゲームの構造をみるとこうだ。

国立大学や公務員であればまだ「納税者の皆さんお金下さい」で帳尻合わせができる。民間企業であればその税負担ももちろん追いかけてくる。大企業であれば消費者や下請けにそれを転嫁して帳尻合わせができる。けれどもそれを受け止める人たちもいる。

地位のある強者による搾取でしかない。

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最低賃金法の影響に苦しめられる弱者

最低賃金以下は働くなという規制がある。時給400円でいいから雇ってくれ、ホームレスにそんなことをいう権利はない、法律で規制されているからだ。だから、空き缶を必死に集めて現金を作る。

ホームレスは行政に助けられれば良いという人もいる。だけど、行政は多様なホームレスを助けることができない。決められた紙切れを出さないと行政は助けてくれない。最低賃金法を強制するなら、行政はあらゆる失業者を救済するべきだが、現実にはそんなことはできていないのである。

ホームレスだけではない、最低賃金以下で職にありつけない人は最低賃金以上を稼げる職業に就くことを強制される。最低賃金法のせいできつい労働を選ばざるをえなかったり、心や体のストレスの大きな仕事を選ばざるを得なくなっている人もいる。 続きを読む 最低賃金法の影響に苦しめられる弱者

非正規社員が増えた代わりに減った数

日本の自営業者が減っている。総務省の公表している労働力調査によれば、1960年には2067万人が自営業者またはその家族従業者だった。この数字は、2016年までにはおよそ1/3の682万人まで減った。 続きを読む 非正規社員が増えた代わりに減った数

雇用規制によって生じる、無駄な学歴競争

日本人はなんでみんな揃って学歴を求めるのだろうか?

学びたいから学ぶのである、いや、本当にそうならよい。けれども、実際にそうだろうか?大学に行かなきゃいけないから行く、そんな思い込みがないか?いや、それは本当に思い込みだろうか?

実際に大学に行かないと損する社会があるのではないか?

実は、無駄な学歴競争は個人の願望ではなく政府の規制によって生じたものではないだろうか。

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最低賃金制度による過酷労働の強制

最低賃金制度は「労働者の保護」であると説明されることが少なくない。

だが、最低賃金制度を導入すると、低い生産性の仕事のために人を雇用することができなくなる。雇用規制によって、安く雇って楽な仕事をさせるという選択が禁じられるからだ。雇用規制が労働市場を歪めることで仕事の選択肢が減った人々は、より過酷な労働環境に身を置くことを強制される結果となる。

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