公的保育の危険性

利用者を満足させることを目指す自由な市場競争は、本来なら素晴らしいものである。ところが、それが公的な力によって歪められると、役所の要求に適応する競争が代わりに始まる。そのせいで、現場からのフィードバックが期待できなくなってしまう。

市場競争の生じない場所では、政府の許認可の要件や補助金リストばかり見てその範囲でいかに儲けるか楽するかを考える施設経営者や人間が増える。一方、目の前の 顧客から信用を得るために丁寧に仕事をする事業者や職業人は淘汰されていく傾向が生じる。

だから、政府によって許認可が与えられ公的資金が注ぎ込まれる保育施設は、市場競争が抑制されるため危険なものになる。

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穴だらけの公営社会保障への加入強制は違憲でしょ?

多くの人が気づいているように、国の福祉というのは、本当に穴だらけだ。

役人が「適正」ならそんなことあり得ないはずだろうが、実際に穴だらけなのだからどうしようもない。困ったことに、私たちは強制的に財産を奪われることで、そんな穴だらけの制度に依存することを、強制されている。

民間の保険会社や慈善団体から市場を奪って公が税金をつかって独占しているのだから、公務員の間抜けを放置したら生命にかかわる。 不完全にしかできないなら、せめて、強制をやめるべきだ。 続きを読む 穴だらけの公営社会保障への加入強制は違憲でしょ?

公的年金制度は民主主義が強いるネズミ講

先行世代を養うために、後の世代に負担させることを前提とする日本の公的年金制度は、設計も実態も無限連鎖講(ネズミ講)そのものである。

人口増加の局面でしか成り立たない仕組みを、人口の多い世代が押し通し、それを国の制度であるといって、投票権すらなかった後発世代に押し付けた。単なる詐欺である普通の無限連鎖講よりも酷い、政府の強制力を利用した暴力といったほうがよいかもしれない。 続きを読む 公的年金制度は民主主義が強いるネズミ講

世代間で奪い合う社会

本当に自分にとって他人の子供を育てることが大切だと多くの人が感じるなら、政府が強制するまでもなく、人々は勝手に身の回りの子育てする人を大切にしているだろう。

本当に自分にとって年長の人を大切にした方が得だと感じるなら、政府に強制されるまでもなく、若い人は年長者を大切にしているだろう。

だが、 政府の強制的な社会保障は、個人の良心や善意に基づく助け合いを不可能にしてしまう。老人が苦しいから後発世代から搾取しろとか、子育てするからといって他人から政府が強制的に奪えとか、そんな話になったら善意や良心で結びついた関係が無くなっていくのは原理的に仕方あるまい。

強制が善意とか良心を潰すというのは、損得の関係を殺すからである。助け合いは損得と関係なくやるべきだと言う人は、それがどれくらい乱暴な話なのか分かってないことが多い。だが、お前は損を我慢しろと言っているだけなのだから、当然なのである。

政府の作ったレールに乗っかって生きるとゆりかごから墓場まで約束されると言う話ならまだ分からないわけではない。だがとっくに、政府の人生設計から外れたら過酷な人生になるという話になっている。政府の強制力によって実現するものに、優しさはない。

政府に依存する限り、殺伐とするのは仕方ないのではないか?

http://shibari.wpblog.jp/archives/13070

生活保護と立憲主義

生活が困難になっている人たちに心を痛める気持ちもよく分かるし、経済的な余裕がない人にとっては無理に支出させられることに抵抗感があるというのもよくわかる。

政府の生活保護制度は、多くの支持者と、多くの反対者がいる制度だ。その折り合いを民主主義で決めましょうというのはそもそも難しい話なのかもしれない。

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『国による「保育」や「介護」の供給』という搾取

「毎月20万円支払って政府が内容と運営方法を決めた保育サービスを買いなさい、支払いはツケ払いでよいです」
「無理にサービスを受けないでもいいです、でも支払いだけは負担しなさい」
「誰にサービスを提供するかは政府の都合で決めます、外れても支払いだけは負担しなさい」

……これが政府の売りつける保育サービスのカネの流れだ。

すべての利用者を満足させるサービスを提供しないとすれば、押し売りされている人が生じている。仮に誰かのために最良に思えたとしても、別の人が割高なサービスを強制的に売りつけることで実現していたら、そこに搾取の構図が生じているわけだ。

しかも、別の記事で述べているように、公営サービスを割上が合うものだと感じる人は次第に減っていく運命にある。

公的保育の危険性

公営保育園の拡充を要求する経団連と連合

公営保育園の拡充を求める政治的な声が強まった。その大きな流れを作ったのは、実は経団連と連合、つまり、大企業の利益を守るための政治団体と、大企業正社員の利益を守る労働組合だった。 続きを読む 公営保育園の拡充を要求する経団連と連合

ナチスの社会福祉政策

「福祉国家」という考え方は、ファシズムを必然的に導く。

国家による高い社会保障を要求する福祉国家の考え方は、政府が失敗する存在であるという点を無視しがちだ。政府は必ず失敗するが、その失敗の責任をとらずに納税者に転嫁してしまう。そのため、政府の失敗はやがて必ず膨張してしまう。膨張する政府を正当化するため、政府はどんどん自由を奪っていく結果となる。

福祉国家というコトバに惑わされて生殺与奪を政府に託してしまった人々は、それに反対していた人たちをも巻き込んで、膨張する政府を止める手段を持たないまま、深刻な自由の喪失を経験することになる。

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公的社会保障が健康ファシズムを作り出す理由

政府の社会保障とファシズムには直接の強い結びつきがある。

政府による生活への介入がどのように、なぜ起きるのかを理解するために、公的社会保障と健康ファシズムを取り上げてみよう。

公営社会保障は、強制された疑似的な助け合いである。(もちろん、自発的でないのだから、助け合いというよりは奪い合いである)

公営社会保障の下では、もしも誰かが不健康を放置すればそのコストを他者が強制的に負担させられることになる。そのため、「助け合い」の強制はその存在自体が国民に健康である義務を国民に要求する。

公営社会保障は、喫煙の禁止を要求するし、飲酒を禁止することを要求するし、もっとエスカレートすると政府が定めた食事を要求するようになるかもしれない。つまり、自由を奪うことが運命づけられている。

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