新幹線開通

国鉄清算事業団

Pocket

民営化のメリットは、収益性のある事業が生き残る一方で収益性のない事業が淘汰され、しかも事業の失敗の責任が納税者に転嫁されたりしないことである。望んで出資した出資者の責任で事業を行い、事業者が自発的な判断で経営内容を取捨選択し、さらに新しい事業者の参入が自由に行えること。そして、市場での競争に晒されることが大切だ。

もう一つ大切なのは、公営事業によって垂れ流される赤字によって納税者にそれ以上の損失が発生することを止めることにある。

実は、国鉄の抱えていた膨大な債務のほとんどをJRは引き継いでいない。

1987にJRグループ各社へ分割・民営化された日本国有鉄道(国鉄)の固定資産売却益による長期債務償還や余剰人員の再就職促進などを行うという名目で、国鉄清算事業団という組織が10年間の期限付きで設立された。そして、事業団は国鉄の膨大な債務を長期債務を縮小するどころか、むしろ膨張させて10年の期限を迎えた。

その債務はそのまま国の債務に付け替えられ、現在も国の一般会計で元本4000億円・利子6600億円、合わせて1兆円以上を納税者が毎年負担して返済している。負担が国民に平等に案分されていると仮定して4人家族の世帯で計算すると、4万円近くを、JRを利用していようがいまいが関係なく負担させられていることになる。

外部リンク

国鉄長期債務の処理及び事業の収支構造, 鉄道・運輸機構
http://www.jrtt.go.jp/02Business/Settlement/settle-saimu.html

国鉄清算事業団の長期債務残高はどのくらい残っていますか, 財務省,よくあるご質問
http://www.mof.go.jp/faq/budget/01ae.htm

日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律に定める施策の実施の状況に関する報告について(平成26年度)【国土交通省】
http://www.mlit.go.jp/common/001118823.pdf

「国鉄清算事業団」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です